第4章

「何をしたいって?」由香里がコーヒーマグ越しに私を見た。

「病院にいる麗香って人に会いに行くの。本当は何が起こっているのか確かめに」

「お義母さん、それは……」彼女は少し考えてから言った。「……悪くない考えかもしれません。でも、一人で行くのはだめです」

「私なら大丈夫――」

「だめです」彼女はきっぱりと言った。「やるなら、一緒に行きます。私の夫が私たちのお金をどこに送っていたのか、この目で見たいですから」

『私たちのお金。彼女の言う通りだ。この支払いは共同名義の口座から引き落とされている。つまり、そのお金の一部は厳密には彼女のものでもある。大輝がまるで召使いのように扱う...

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